1 | なぜ「マグロ」か御存じ? |
マグロと名付けられた由来をご存知でしょうか?近海で獲れた鮮度の良いマグロは、青味をおびたツヤのある身にきれいな黒い色をしています。皮肌がまっ黒だから、それで「真黒」。これが一般 的な説ですが、まなこが黒いからという説もあります。ちょっと眉つばですが、切ったすぐの時はまっ赤かな身が、置いておくと黒くなることから名付けられたという説もあります。 |
2 | マグロの身が赤い理由 |
マグロの鮮度を見るキメ手は、やはり色。ツヤのあるさえた赤い色をしているのが品質のよいマグロです。では、マグロの身はなぜ赤いのか。これは肉の色素と血の色素に含まれる鉄分が、他の魚には見られない美しい赤身を作っているからです。鉄分は酸素を抱えたがる性質があり、これは包丁がさびやすいことでも、ご理解いただけるでしょう。包丁のさびは困りものですが、マグロの赤身は酸素をいっぱいに含んだ、体に重要な成分である鉄分が豊富にある証拠です。貧血傾向にある若い女性には欠かせない栄養魚といわれる由縁です。放置しておくと色が変わるのは酸素不足のため。だから、さえた赤身は鮮度と美味と栄養の大切な目安です。 |
3 | 半解凍のサクの方が切りやすくおいしい |
マグロは、特別な場合を除いてはほとんどが冷凍ものです。店頭で、鮮やかな色の出たサクを買うのは、すぐに食べるならよいのですが、2〜3時間後に食べるなら解凍途中の色の出ていないサクを買う方が切り易く賢明です。色がきれいでないと買っていただけないかと、お店の方では悩みどころですが、色が出きってしまうと、あとはだんだん色が悪くなるばかりです。食べる時に、一番おいしくなるように買うのが、マグロの上手な買い方です。固いサクを買ったら、冷やしたぬ れぶきんをかぶせ、氷温の冷蔵庫で保存すると色変わりは防げます。解凍したものを冷凍庫で固めなおすのは、色が悪くなり味が落ちるので厳禁。 |
4 | 高校生の大好物は”マグロの赤身” |
お魚料理は年配者が好むもの と思いがちですが、高校生がお魚大好きという、興味深いアンケート調査が発表されました。「高校生の食生活と“おさかな料理”」に関する調査(大日本水産会・おさかな普及協議会)によりますと、魚の中でも特に好きなのが「マグロのさしみ」38.2%で2位 「さんまの塩焼」13.2%を大きく引き離しています。刺し身もトロより赤身が好きとは高校生の実際の声。マグロのトロは戦後にわかに珍重されるようになりましたが、それ以前は昔から赤身がおいしいとされていました。若い人に赤身の良さが理解されはじめているのは朗報です。成長期に必要な栄養分も豊富なマグロです。もっともっと食べていただきたいものです。 |
5 | 「まぐろの日」は10月10日です |
マグロをもっと食べていただきたい、マグロへの理解を深めていただきたいという願いをこめて、体育の日でもある10月10日を「まぐろの日」としました。この日は遠くいにしえの万葉集にちなんでいるのです。神亀3年(西暦726)10月10日山部赤人はこの日、聖武天皇のお供えをして明石地方を旅し、鮪(マグロ)を獲って栄えているこの地を讃えて次のように詠いました。やすみしし 我が大君の 神ながら 高知らせる 印南野の 邑美の原の荒栲の 藤井の浦に 鮪釣ると 海人舟騒ぎ 塩焼くと人ぞさはにある 浦をよみ うべも釣りはす 浜をよみ うべも塩焼く あり通 ひ 見さくもしるし清き浜 日本人とマグロの深い関わりをしのばせる名歌として昔から有名な歌です。では、「まぐろの日」をよろしく。 |